スタニスラフ・フィンダのピッコロ、フルートの演奏会を聴きに行った。
場所は藤沢のル・クラシックと言う所。
80人で一杯になるサロンと言えば良いだろうか。
このフィンダ氏ご自身がピッコロを作る方だとか・・・
1978年~2008年までプラハ交響楽団でソロピッコロ奏者を務め、その他チェコフィルでも活躍。
この方と奥様(フィンダ志保子さん)の演奏会。
伴奏はピアノの渡辺久仁子さんとチェロの印田陽介さん。
このコンサートは渡辺さんの旦那さんと知り合いであることからこのコンサートを知ったのだ。
渡辺久仁子さんとは数年前に旦那さんを通して知り合ったのだが、この方の伴奏は非常に素晴らしく(と私如きが言うべきことではないが・・・)独奏者を上手く引き立ててくれると言えば良いだろうか、そんな伴奏者なのである。
そんな方だから、旦那さんを支えるのも上手いのだろうと思うと羨ましい限りである。
伴奏は脇役だから・・・と思う人もいるかも知れないが、私は非常に懐が深くないと難しいと思っている。
それは、ソリストと言うのはどうもそれぞれにかなりの癖を持っている。
なので反りが合わないと音楽自体も成立しないと思える。
ただ、伴奏すれば、と言うだけでは演奏自体がつまらなくなる。
追随すれば良いのではなく、ソロの癖を見抜いて、気持ち良く盛り立ててくれるような伴奏者なのだ。
今日、渡辺さんはモルダウをピアノソロで弾いてくれた。
私は目をつぶって聴いていたが、オーケストラの色彩さえ感じられ、実は少しだけ涙が出たのだ。
もちろん主役はフィンダ氏なのだが、私はそちらよりも、モルダウに感動した次第。
伴奏が主たるお仕事のようではあるが、もちろんソロでも演奏される。
プラハの風と題された今日のコンサートはバロックが主体だった。
その伴奏にはローランドの電子チェンバロを渡辺さんが弾き通奏低音を印田さんが弾いた。
フィンダさんの音は本当に柔らかい音で「あ、これほど脱力できるんだな」とあらためて思い知らされた。
常日頃からゴールウェイのような音を求めて練習していた私にとっては、かなりの衝撃でもあった。
非常にヒントになる吹き方だと思った。
スタニスラフ・フィンダ演奏会
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