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フルートで高音がうまくならない時の改善方法

高音が鳴らない原因をまず考える

フルートを吹いていて高音域が鳴らない時の原因を考えてみます。

  • お腹の支えが出来ていない
  • 体が硬直している(緊張している)
  • 歌口が塞がっている
  • 息だけでコントロールしようとしている
  • 口の中の容量が小さくなっている
  • 脳が体やアンブシュアなどを認識していない

お腹の支えができていない

文字通りお腹の支えができていない。

高音を鳴らす時に一番やってはいけないことがお腹の支え無しで息を吹き込むこと。

これを体が覚えてしまうとなかなか癖が取れなくなるので要注意。

さらに高音をお腹の支え無しで吹き込むと音程がうわずってしまう。

これを解消するために内向きに吹き込むためにまたフルートを内向きにするか唇を使って吹き込む形になるので、さらに音質が悪くなると言う悪循環だと考えます。

体が硬直している(緊張している)

いつの間にか体が硬くなっている場合やステージで緊張している時によく起きる現象です。

体をリラックスできるように訓練が必要です。

ステージ立った時の体の硬直は1回や2回の経験では払拭できないと私は考えています。(別のブログで書きます)

歌口が塞がっている

上記のうち一番陥りやすいのが「歌口が塞がっている」だと思います。

これは何を意味しているかと言うと、歌口の穴も唇の吹き出す穴も小さくなってしまい息が入る余地がなくなっている。

これは体が硬直する、と言う項目とリンクしています。

体が硬直すると言うことは脚、肩、首、腕、手、指など全ての部位に連鎖します。

フルートを支える手も硬直していてフルート本体が内向きになっている。

首は前にうなだれてしまい結果歌口をふさいでしまい、息が管内に入らず音が出なくなる。

これはいくらお腹から息を出してもそもそも歌口をふさいでいるので発音ができない状態です。

息だけでコントロールしようとしている

息がお腹から出ていないのにお腹から息が出ていると錯覚しているので本人の自覚がないと改善できないことですが、腹式でない息で音をコントロールしようとする。

息だけで高音を鳴らそうとすると、唇をギュッと締めて細い息を作ることになります。

前述のお腹での支えができていないことと重なってしまい音色も悪くなり、曲の途中でコントロールを失ってしまうので絶対に癖を取るべきだと思います。

 

口の中の容量が小さくなっている

これは体が硬直していると言うことと繋がりがあります。

つまり緊張状態になるため、口に力が入ってしまい、口内を狭くしてしまいます。

普段の練習から意識して口内を広く保つ癖をつけておくべき。

脳がアンブシュアを認識していない

上記の項目に加えて非常に重要なポイント。

発音する時のアンブシュアが狂ってしまう。

ダメな2つのポイント。

  • 唇が固まっていてものすごく小さな穴になっている
  • 息を出せば良いと言う感覚になっている(→息を集めて歌口のエッジに吹き付ける事を忘れている)

一朝一夕にはできないので諦めず練習を続けることが大切

私もこの高音域に苦労をしていて、15年かけて、最近になってやっと楽に音が出るようになっています。

しかし、例えばモルダウの1stの233小節めから繰り返しのa-gis-fis-gis反復の音形になると指の問題もからんでしまい、脳がどちらかを優先するようになってしまい今まで鳴っていた高音が突如鳴らなくなる。

つまり指を回さなければならないと思うとアンブシュアがおろそかになり、音を優先すると指の方がおろそかになる。

脳を変化させる必要がある

これを解決するには一般的に言われている通りゆっくりとしたテンポから始めて徐々に速くする、と言う決まりきった事しかない。

これをもっと紐解いてみたい。

ある程度苦なく高音域(特にa3、g3など)が出るのであれば、指と音質を密接にして一音一音、隣り合った音を2つ取り出してできるようにしなければならない。

例で言うと

a3-gis3

をまずやってみて次に

gis3-fis3

をやってみる。

できるようになったら速さをアップして上記2つがそれぞれできるように訓練してみる。

せいぜい5分〜10分程度にとどめる。

体に力が入らないよう、唇や肩、腕、手、指に余計な力が入らないように注意しながら進める。

その日はそれ以上変な癖をつけないようにわざとやめる。

翌日は

a-gis3-fis3

を練習してみる。

前日の音色と指の運動状態を脳にインプットするように繰り返し行う。

これもせいぜい10分でやめておく。

これを数日間繰り返してみる。

ある日はできても、できない日もあるはず。

一朝一夕にはできない、と言うのが私の経験です。

根気が必要

上で言った練習は「根気」が必要。

面倒くさくなったら終わり。

ただ、それよりも何よりも自分で自分を分析すると言うことが何よりも一番大切なことです。

人間自分自身のことが一番客観的に見えない動物です。

できればスマホでも良いのでこの練習だけでも録画してみると良いと思います。

口が固くなって出す息が狭まっている、とかフルート本体が内向きになっている(角度の問題)とか、肩が硬いから腕、そして指まで硬くなっている、など。

それはそれは1音出すのにどれだけ時間がかかるんだ!

と思うくらいに自分自身を見つめ直すことが必要ではないかと思っています。

 

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